ホースを伝う音が唯一無二のディレイ音になる。Time Cubeにインスパイアされたプラグイン!
『Echo Cube』はテープやBBD(バケツリレー素子)のような電子遅延回路を使わずにエコーを実現した「Cooper Time Cube」にインスパイアされたディレイ・プラグインです。
実機は、右の画像の様に長いコイル状のチューブの中に音声を通し、空気を伝わる音の物理的な伝播速度によって遅延時間を生み出していました。
本作はこのコンセプトを再現・拡張し、独立した2つのディレイ・ライン(AおよびB)を搭載しています。それぞれに専用のタイム、フィードバック、レベル・コントロールを備えています。3つのモデルが選択可能で、「Time Cube」はオリジナル・ハードウェアを忠実に再現しています。「Garden Hose(庭用ホース)」と「Corrugated(蛇腹管)」は、オリジナルの物理的原理を拡張し、サウンドデザイン向けに設計された実験的かつDIY精神溢れるバリエーションです。
ディレイ・ラインはシリアル、パラレル、ピンポン、モノ・サム、ミッド/サイドなど、複数のルーティング・モードで組み合わせることができ、ディレイの相互作用やステレオ・イメージの形成を精密にコントロールできます。
◆Time Cube の略歴
Cooper Time Cube は、1971年に Duane H. Cooper と Bill Putnam によって、テープや電子式ディレイに代わる手段として開発されました。音声を電子的に蓄積するのではなく、長いコイル状のチューブに音を送り込み、空気を遅延媒体として利用しました。この機械的なアプローチにより、片方のラインで約14ms、もう一方で約16ms、直列に繋いでも合計約30msという非常に短いディレイが発生します。
これは長いエコーというよりも、ダブリングやハース効果に適した短さでした。その結果、当時のテープ式やBBD設計では到達し得なかった、アコースティックなフィルタリングと位相特性を持つ独特のエコーが生まれました。製造台数はわずか1,000台ほどで、そのユニークなサウンドから希少なスタジオの定番機材となりました。本作はコレクションの中から、フルメンテナンスを施した非常に状態の良い実機をベースにしています。
◆仕組みについて
長いパイプに向かって話したことがある人なら、そのアイデアをすでに理解しているはずです。Time Cubeはスプリング・リバーブに似た原理で動作しますが、金属スプリングの代わりにホースの束を使用します。信号は、スピーカーとして逆作動するマイク・カプセルによってホースへ送り込まれ、音はチューブ内の空気を物理的に移動します。反対側の端では、2つ目のマイク・カプセルが遅延した音響信号を拾い、再び電気信号へと変換します。
空気とチューブを通るこの物理的な旅こそが、Time Cubeにキャラクターを与えます。遅延は固定で非常に短いものですが、そのサウンドは自然にフィルタリングされ、わずかに不均一で、従来のデジタル・ディレイでは再現不可能な繊細なコーミング効果に満ちています。
※最新の動作環境はメーカーページをご参照ください。