閉鎖スタジオから生還、「1970年代の洋楽」特化のピアノサウンドを収録!
『Chateau Piano』は、ポップスとロックの黄金時代である、1970年代の象徴的な音色を収録したピアノ音源です。
パリ北部、シャトー・デルーヴィルの奥深くに、ポップ・ミュージックの記憶が今なお息づいています。ただのピアノではありません。1901年製のスタインウェイB型グランド──かつて映画音楽家ミシェル・マーニュが所有し、エルトン・ジョン、デヴィッド・ボウイ、フリートウッド・マックなど、数え切れないほどの名盤にその音を刻んだ、伝説の一台です。
1985年に幕を閉じ、長らく忘れられていた伝説の「ストロベリー・スタジオ」。それが2020年、情熱を持つ新たなオーナーによって再びその扉を開きました。名調律師バスティアン・エルバンによる丁寧な修復を経て、この124年の歴史を持つピアノは、当時の面影をそのままに、さらに豊かな響きで蘇ったのです。
鍵盤に触れた瞬間、時代を越えてあの頃の風景が立ち上がる──その音は今も、聴く者の記憶にそっと火を灯します。
『Chateau Piano』は、エルトン・ジョンの名曲、「Crocodile Rock」のような、明るくパーカッシブなアタックで重厚なミックスを突き抜ける一方、「Rocket Man」や「Daniel」「Goodbye Yellow Brick Road」に込められた温かさと豊かな余韻をも宿しており、そのすべてがこの美しいグランドピアノに凝縮されています。
収録にはビンテージのNeumann U67ペアをはじめ、真空管とコンデンサーマイクの名機を多数使用。エルトン・ジョンの名曲たちを録音した当時と同じマイクポジションで、丁寧にサウンドを捉えました。
50種以上のプリセット、マルチマイク信号、内蔵エフェクトも備え、ただの再現にとどまらず、インスピレーションを呼び起こす本物の音と、それを自分の音楽に染め上げるためのツールがここに揃っています。
◆Strawberry Studios ? クリエイティビティの聖域
1962年、作曲家ミシェル・マーニュによって18世紀の邸宅が改装され、世界初のレジデンシャル・スタジオへと生まれ変わりました。シャトー・デローヴィル、別名ストロベリー・スタジオは、瞬く間に70年代音楽界の大スターたちにとってのクリエイティビティの聖域となります。
その「ジョルジュ・サンド・ルーム」と名づけられたライブ・ルームの魔法のような音響の中で、エルトン・ジョンは深くインスピレーションを受け、スタジオ名にちなんで名づけられた「Honky Chateau」を含む3枚の名盤をレコーディングしました。ピンク・フロイド、チェット・ベイカー、ジョーン・アーマトレイディング、ビー・ジーズといったアーティストたちもこの場所で作品を制作し、さらにフランスの伝説的音楽家ジャック・イジュランやアラン・カーンから、世界的ロックスターであるマーク・ボランやイギー・ポップに至るまで、数多くのミュージシャンたちがその足跡を残しました。
しかしスタジオは1985年に閉鎖され、その後30年間放置されることに。やがてその物語は人々の記憶から薄れ、神話へと姿を変えていきました。伝説や神秘に包まれる中で、「作曲家フレデリック・ショパンの幽霊がマスターベッドルームに出る」という噂もささやかれました。これは、デヴィッド・ボウイとブライアン・イーノがアルバム「Low」のレコーディングで滞在していた際に、プロデューサーのトニー・ヴィスコンティが語った逸話としても知られています。
2015年、新たな章が始まります。情熱を持つエンジニアと音楽家たちがこのシャトーを購入し、建物だけでなく、その精神までも復活させるための完全な修復に取り組みました。
その復興の中心にあったのが、このピアノです。調律師バスティアン・エルバンの手によって丁寧に蘇らされたこのピアノの目指したものは、完璧な音ではなく、124年の歳月が育んだ唯一無二の個性を守り抜くことでした。
このライブラリは、その旅の集大成。この特別な場所がもたらす、インスピレーションに満ちたサウンドを永遠に残し、世界と分かち合うための試みなのです。
◆不朽の音、受け継がれる遺産
シャトー・デローヴィル復活の原動力となったのは、新たなオーナーであるジャン・タクシスとティエリー・ガラシノのふたり。どちらも優れたサウンドエンジニアでありミュージシャンである彼らは、このプロジェクトを単なるビジネスではなく、かけがえのない文化遺産を守る使命として捉えていました。
彼らの哲学は、シャトーの歴史と時を超えて響く音響を尊重しつつ、その遺産を未来へと受け継ぐために、最新技術を目立たぬ形で融合させていくというものでした。
彼らは理解していたのです。シャトーは単なる録音スタジオではなく、創造性を呼び覚ます場所であるということを。ここで制作を行うアーティストは皆、この場所でしか生まれ得なかった何かを創り出していきます。
そしてこのSpitfire Audioとのコラボレーションも、まさにその精神から生まれたものです。シャトーの魂、そしてその象徴とも言えるピアノの響きを、世界中のクリエイターたちへ届けるために。
◆収録内容
『Chateau Piano』は、そのピアノが本来持つ純粋な響きから、ヴィンテージ加工を施した創造的なテクスチャーまで、幅広いキャラクターを1つのライブラリに収録。高品質なリバーブで空間感を調整したり、ヴィンテージ風のワーブルを加えたり、ローパス/ハイパスフィルターで音色を彫刻することも可能です。タイトネス・コントロールにより、演奏のアタック感を自在に調整することもできます。
すべてのパッチには、以下の中から3つのシグナルを選択してブレンドしたサウンドが用意されています。
●シグナル
・Close: ピアノの弦からダイレクトに拾った、繊細かつ親密な音像。
・Room: 「ジョルジュ・サンド・ルーム」の自然な響きとクローズマイクをバランスよく融合した、広がりのあるステレオサウンド。
・Super Close: ハンマー部分の左右にマイクを設置し、より前面に押し出されたポップ向けのサウンド。
・Mix: スクープ処理とブライトな調整が施された、即戦力のプロダクション向けミックス。
・Tape: アナログテープによる温かみ、サチュレーション、軽いコンプレッションを加えたサウンド。
・Compressed: パラレルコンプレッションによって重厚さと攻撃性を加えた音。
・Chorus: ヴィンテージの Roland Dimension D を通した、広がりのある80年代風の煌めき。
・Distorted: 外部機材によるサチュレーションと倍音が加わった、ザラつきのあるキャラクターサウンド。
●プリセット
すぐに演奏や制作を始められるよう、37種類のプリセットを6つのカテゴリーに分類して収録。インスピレーションを呼び起こすための出発点として設計されています。
・Natural: シャトーにある Steinway B のありのままの響きを忠実に捉えたピュアなサウンド。繊細なメロディやリアルな演奏表現に最適。
・Classic: 1970?80年代のレコードを彷彿とさせる、ノスタルジックかつ情感豊かな音色。黄金時代へのタイムトラベルのような質感。
・Intimate: 近距離収録による繊細で表情豊かなプリセット。哀愁漂うバラードや控えめなスコアに最適。
・Lush: リバーブとコーラスを贅沢に使った、豊かで広がりのある音。空間を満たす美しいアンビエンスに最適。
・Driven: TapeやDistortedシグナルを活かした、力強くエッジの効いた音色。ミックスを突き抜けるエネルギーを演出。
・Effected: 創造的かつ大胆に加工されたピアノサウンド。従来のピアノの枠を超えた、実験的かつユニークな音世界。
※最新の動作環境はメーカーページをご参照ください。